入浴療法(全身浴・半身浴)の作用|プレ更年期の予防と対策

入浴療法(全身浴・半身浴)の作用|プレ更年期の予防と対策

このサイトでは、プレ更年期の生活改善として「食事」「睡眠」「運動」「ストレス」の4つの見なおしを推奨しています。

今回、セルフケア法として入浴療法について調べたのですが、入浴を工夫すると、食事、睡眠、運動、ストレスの全てに効果があることがわかりました。

このページでは「入浴の効果」「理想の入浴法」「注目の新入浴法」について詳しく説明します。

なお、このページでの「入浴」は「湯船のお湯につかること」で、シャワーは含みません。

入浴の3つの効果

入浴には「温熱効果」「水圧効果」「浮力効果」があり、シャワーでは得られない効果もあります。

温熱効果
お湯の温熱で皮膚の毛細血管が広がり、血液の流れがよくなります。
新陳代謝が促進されて、疲労回復、肩こりや痛みの緩和効果があります。

水圧効果
お湯の水圧はマッサージ効果となって、血液やリンパ液の流れをよくします。
また、水圧が腹部の横隔膜を押し上げることで、呼吸の回数が増え、心肺機能が高まることでも血液循環がよくなるのです。

浮力効果
お湯の中では、浮力によって体重が1/9になります。筋肉や関節が楽になるので、脳への刺激が減少します。脳をリラックスさせることで、乱れた自律神経バランスを整える効果が期待できます。

浮力効果は、シャワーでは感じることができませんので、湯船につかる1番のメリットです。

全身浴と半身浴の効果のちがい

近年では「半身浴」が健康によいとされています。

そこで、肩までお湯につかる「全身浴」と、みぞおちから下の半身だけを湯船につける「半身浴」との効果の違いについて説明します。

全身浴

全身浴は、入浴の3つの効果(温熱、水圧、浮力)の全てを活用できる入浴法です。
血液循環が急によくなると心臓に負担がかかるので注意が必要です。

半身浴

全身浴に比べて心臓への負担が少なく、長く湯船につかることができます。
下半身にのみ水圧がかかるので、脚に溜まった血液を心臓に送り返すことができ、脚のむくみや疲れの解消に効果的です。

お湯の温度による効果のちがい

お湯の温度による効果のちがい

「熱いお湯」と「ぬるいお湯」とでは、からだへの効果がちがいます。

ですから、目を覚ましたい時は「熱めのお湯」、疲れをとりたい時は「ぬるめのお湯」というように、目的に応じて湯温を変えると、効果的な入浴ができるのです。

「熱いお湯」「ぬるいお湯」の2つの効果について詳しく説明しますので、日常で活用してください。

高温のお湯(42℃以上)

熱いお湯は、自律神経の交感神経を刺激し、新陳代謝を促進するはたらきがあります。
体が興奮状態(活動モード)になるので、寝起きが悪い時、勉強や仕事の合間、外出前の入浴に向いています。

からだへの刺激が強いので、熱いお湯での入浴は10分程度にしましょう。

ぬるいお湯(37~40℃)

ぬるいお湯は、自律神経の副交感神経を優位にします。筋肉の緊張をほぐし、心身のリラックス効果があります。
また、長くお湯につかることができるので、体の芯まで温まることできます。

さらに、血液の流れがよくなり、新陳代謝が促進されるので、腰痛、肩こり、関節痛、むくみ、眼精疲労、冷え性、不眠の改善効果が期待きます。

ぬるいお湯は、体の芯まで温めるために、20分くらいは入るようにしましょう。

理想の入浴法

入浴効果や入浴方法の違いについて説明してきましたが、結局どうすればよいのでしょうか?

そこで、ズバリ「理想の入浴法」を調べました

▼理想の入浴法
・お湯の温度は37~39℃(冬は39~40℃)
・全身浴の場合の湯量は「肩までつかれるくらい」
・全身浴・半身浴は好みで選択(肺や心臓が弱い方は半身浴)
・入浴時間は15分前後(半身浴の場合は20~30分)
・お風呂から上がったら1時間後に寝る

理想の入浴時間を見て「短いっ!」と思った人もいるかもしれません。

美容や健康の効果を期待して、半身浴で1時間という人もいますが、理想の半身浴の時間は20~30分です。

では、なぜ、長すぎる半身浴がNGなのかを説明します。

長過ぎる半身浴がダメな理由

長過ぎる半身浴がダメな理由

●理由その1 ぬる湯の長湯は体が冷えます

長湯をすると、だんだんお湯がぬるく感じてくると思います。
これは、お湯の温度が下がっているだけでなく、皮膚の毛穴が開いて体の熱を放出しているので、体が冷え始めているのです。この状態で急いで追い焚きをしても、体の内部は、すでに冷え始めており、疲労感が増すだけで何も効果はありません。

冷え性の人が長風呂をすると、症状を悪化させてしまう可能性があるので注意が必要です。

●理由その2 かゆみや湿疹の原因になります。

先の説明で、ぬるいお湯は、副交感神経を優位にしてリラックス効果があると説明しました。しかし、副交感神経が活発になりすぎると「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。この物質が分泌されると、肌が知覚過敏になり、かゆみや湿疹の原因になります。

冬場、お風呂や布団の中で体がかゆくなるのは、冷えた体が温まり、副交感神経が急激に活発になって、プロスタグランジンが発生したからです。

●理由その3 肌が乾燥します。

30分以上お湯につかると、皮膚がふやけて、皮膚内部の保湿成分(セラミド)が流れ出てしまい、乾燥のもとになります。
どうしても長湯をしたいという人は、保湿入浴剤を入れるようにしましょう。

このように、間違った半身浴は、美容にも健康にも悪影響を及ぼすのです。

近年、美容と健康には「ぬるめのお湯で半身浴がいい」と言われてきましたが、今、熱いお湯につかる新たな入浴法が注目されていますのでご紹介します。

ヒートショックプロテイン(HSP)入浴法

ヒートショックプロテイン(HSP)は、別名「ストレス防御タンパク質」と呼ばれており、ストレスや病気で傷んだ細胞を修復して、元気な細胞に戻してくれるはたらきがあります。

このタンパク質は、体温が38℃になると増加しはじめることがわかっており、40℃~42℃の高温のお湯に10分入ると体温が38℃に上昇するので、新たな健康・美容入浴法として注目されているのです。

HSPの主な効果は、免疫細胞を強化し、乳酸の発生を遅らせる作用があり、傷や病気が治りやすい、疲れにくいなどの健康増進や体質改善効果があります。
プレ更年期の予防改善の効果も期待できます。

また、女性には嬉しい美容効果もあります。HSPは肌の表面に多く存在しているので、紫外線ダメージを補修して、シミ予防のはたらきをします。

新しい入浴法と言っても「週2回、熱いお湯に10分間つかる」だけなので、すぐに試せる手軽さも注目されている理由なのです。

ただし、HSP入浴法にはポイントや注意点がありますので、詳しく説明します。

HSP入浴法の準備

HSP入浴法を成功させるために、準備する物があります。

●体温計(婦人体温計)
HSPは、体温を38℃まで上げて保温することで増加するタンパク質です。
ですから、正確な体内温度を知るために体温計が必要になります。
体内温度は舌下で測りますので、できれば婦人体温計をご用意ください。

●温度計
40℃のお湯の場合は、20分間つかるので、途中で湯温が下がります。湯温表示がない場合は、温度計で湯温を確認しながら入浴すると、正確にHSP入浴法が実行できます。

●時計
お湯につかる時間を計るため、浴室に時計がない場合は、時間がわかるものをご用意ください。

●水分補給のための水
高温のお湯に入りますので、入浴前に必ず水分補給を行ってください。

HSP入浴法のやりかた

それでは、HSP入浴法のやりかたとポイントについて説明します。

入浴準備

①十分に水分補給をする
500mlくらいの水分補給をしてください。

②入浴前に舌下で平熱を測り目標値を確認します。
平熱が低い人(35℃代)が、いきなり38℃まで上げることは難しいです。
平熱を測って、目標体温を「37℃」もしくは「平熱+1.5℃」に設定します。
健康で、平熱が36℃代の人は、38℃が目標値です。

浴室内

③湯温を測り、目標入浴時間を確認して入浴します。
目標入浴時間は、40℃のお湯ならば20分、42℃ならば10分です。
入浴剤を入れている場合は、入浴時間を5分短縮してください。

お湯につかりながら舌下の体温を測ってください。
目標入浴時間終了時に、体温が38℃になっている状態が理想です。

辛くなったら、途中で休憩してください。「合計時間」で10分(42℃の場合)になればOKです。

入浴中は、お湯の温度が下がり過ぎないようにしましょう。

浴室を出た後

④入浴後、10~20分の間、体温をキープするようにしてください。
厚着をしたり、タオルケットにくるまるなどして、38℃の体温を保温状態にします。

この時間は、冷たい飲み物は我慢してください。
常温で自然に体温を下げることがポイントになるので、部屋に暖房を入れたり、熱いものを飲むこともNGです。

⑤20分経ったら修了です。水分補給をたっぷりしてください。

冷たい飲み物もOKです。お疲れ様でした。

HSP入浴法の注意点

HSPの効果が最大限に発揮されるのは「入浴から2日後」で、その後、1~2日間効果が持続すると言われています。HSP入浴法は「週に2日」実行するとよいでしょう。

体質改善や免疫力を高める療法ですので、即効性はありません。長く続ける必要があります。しかし、長期間続けていると、熱いお湯に体が慣れてしまいます。
「体温がなかなか上がらない」「効果を感じられなくなった」場合は、1~2週間休んでください。

目標体温は38℃ですが、体調と相談しながら、自分のペースで実行してください。
特に、体温が低い人や体力が低下している人は注意が必要です。

冬場は浴室温度が下がっていますので、いきなり熱いお湯に入ることは危険です。
かかり湯をしてから、ゆっくりとお湯につかるようにしましょう。

プレ更年期セルフケア「入浴療法」(全身浴・半身浴)まとめ

入浴は、毎日できる身近なセルフケアです。
ご自身の知識や入浴法が正しいかどうかを、この機会に確認してみてください。

また、話題の「HSP入浴法」もご紹介しましたが、今日からでも実行できる手軽な入浴方法ですので、ご興味ある人は試してみてください。ただし、身体にストレスをかける方法なので、くれぐれも体調と相談してから行ってください。

このページのトップヘ