なんとなく調子が悪いという人は「漢方」|プレ更年期の治療

なんとなく調子が悪いという人は「漢方」|プレ更年期の治療

漢方薬は、安心・安全で副作用がないイメージがありますね。

薬のタイプもいろいろで、煎じ薬、顆粒剤、丸剤などがあり、病院だけでなく、ドラッグストアでも手に入れることができます。

病院と市販の漢方薬とでは、何が違うのでしょうか?
そこで、漢方治療や漢方薬について調べてみました。

プレ更年期 漢方治療とは

漢方治療とは、ピルやホルモン補充療法(HRT)のような、ホルモン量を操作する治療ではなく、ホルモンが減少した体の状態を考慮しながら、穏やかに体調を整えていく治療法です。

どのような人が漢方治療を選択しているのか

プレ更年期の場合「ホルモン治療を望まない人」「ホルモン治療を受けられない人」「ホルモン治療の必要性がない人」が漢方治療を選択しています。

また、漢方薬は、低用量ピル(OC)やホルモン補充療法(HRT)との併用ができます。そのため、病院(婦人科)では、自分が漢方を希望しなくても、ホルモン療法と漢方薬の併用を勧められる場合もあります。

漢方薬は、自律神経失調症状に効果があるので、ホルモンバランスと自律神経の両面から、アプローチをすることで、より効果的な改善が期待できるのです。

体に負担の少ないタイプのホルモン療法と漢方薬を組み合わせることで、ホルモン療法への不安感や抵抗感を少なくすることができます。

漢方治療のメリットとデメリット

漢方治療のメリットとデメリット

漢方は、安心・安全なイメージですが、デメリットもあります。プレ更年期の漢方治療におけるメリット・デメリットをまとめてみました。

プレ更年期治療における漢方のメリット

●自律神経失調症に有効 

特に、憂鬱・イライラ・落ち込みなどの精神安定に効果があります。

●「なんとなく調子が悪い」という不定愁訴に効果的

漢方は、まだ病気ほどではない「未病」に強いといわれています。

●低用量ピル(OC)やホルモン補充療法(HRT)との併用ができる

ただし、ピルやHRTな血栓症になりやすいので、止血作用のある漢方薬には注意が必要です。処方を受ける時は必ず飲み合わせの確認をしましょう。

●副作用が少ない

漢方薬に副作用がないというのは間違いです。用法や用量を守らなかったり、体質に合わなかった場合は、強い副作用が出る場合もあります。しかし、西洋薬(新薬)に比べると、副作用の心配は非常に少ないです。

プレ更年期における漢方薬のデメリット

●即効性が低い

数ヶ月で効果を感じる人もいれば、数年かかる場合もあります。最低3ヶ月は続ける必要があります。

●「女性ホルモン低下」が原因の症状には弱い

ホットフラッシュ、骨粗そう症、動脈硬化、認知症予防などの治療には、ホルモン補充療法(HRT)の方が効果的で即効性もあります。

●煎剤(煎じ薬)は、味に癖の強いものが多い

漢方薬には「煎じるタイプ」がありますが、味が強烈で飲みにくかったり、煎じる手間がかかったり、外出の際には携帯に不便というデメリットがあります。

漢方薬の基礎知識

漢方の診察は、患者の体質を見極めることからはじまります。
その基準となるのが「証」と「気・血・水」です。

「証」とは、体力や病気の抵抗力のことで、体力があまりない場合は「虚証」、体力がある場合は「実証」という、2つのタイプに分類します。

「気・血・水」は病気の原因となる3つの因子です。

「気」は元気の気のことで、気力や自律神経をさします。
「血」は血液や血液循環のことです。
「水」は血液以外の水分代謝のことで、汗・尿・リンパ液などをさします。

漢方薬は、この「気・血・水」の3つのバランスを整えるために、体質に合わせた生薬が処方されるので、同じ症状であっても、「証」によって薬が違ってくるのです。

具体例として、不眠症状に処方される漢方薬をあげてみます。

不眠症状に処方される漢方薬

抑肝散(よくかんさん):緊張感が強くて眠れない
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):不安感が強く 夢を見る
加味帰脾湯(かみきひとう):不安感が強い、寝付きにくい、貧血傾向
酸棗仁湯(さんそうじんとう):考えすぎて眠れない
黄連解毒湯(おうれんげどくとう):夜になっても昼間の興奮がおさまらず寝付けない

他にも、不眠に効果のある漢方薬はありますし、体質(虚証・実証)によっても、処方が違ってきます。

このように、漢方薬は、睡眠導入剤のように、直接、睡眠を促進させるのではなく、その原因を取り除き、「気・血・水」を整えた結果、睡眠が改善するという考え方です。

ですから、漢方は、効果を感じるまでに時間がかかる治療法なのですが、複数の症状が改善し、体全体の調子がよくなる効果が期待できるのです。

プレ更年期は、複数の症状を感じている人も多いので、漢方治療は、有効な治療の選択肢の1つになります。

どこで漢方治療は受けられるの?

どこで漢方治療は受けられるの?

漢方治療は、「漢方内科」「漢方科」「漢方クリニック」などの漢方専門医だけでなく、婦人科などの一般病院でも希望すれば漢方治療は受けられます。

漢方薬には、保険適用されるものと保険適応外のものがあります。

保険適応ならば、薬代は月に2,000円程度
市販薬や漢方専門薬局の場合は、月6,000円~1万5,000円くらいだと言われています。

漢方専門医

漢方専門医の場合は、自由診療(自費診療)が多いので割高感がありますが、保険適応外の漢方薬も扱っているので、薬の種類がとても多いです。

患者の「証」(体質や症状)を見極めるために、患者の話をよく聞、たくさんの種類の漢方薬の中から、患者の体質や症状に合わせた生薬を調合してもらえます。これが漢方専門医に行く最大のメリットです。

一般病院(婦人科・保険適用薬)

保険適用の薬は種類が限られています。(148種類の漢方エキス製剤と200種類の生薬)
この限られた種類の薬のなかで、症状に合ったものを医者が処方します。
しかし、一般病院の場合、漢方の知識を全く持たない医師が、漢方を処方していることが多いのです。

1967年から漢方薬(漢方エキス製剤)が保険適用になりましたが、日本の全ての医学部・医科大学で漢方教育が開始されたのは2004年からです。

つまり、ベテラン医師ほど、漢方知識を持たない人が多いと言えます。治療の腕は確かでも、漢方の処方に関しては「気・血・水」に関係なく、症状で判断し、製薬会社の説明書どおりに薬を出しているだけ、という医師も多いのです。

しかし、婦人科(一般病院)では、ホルモン療法と漢方を併用できるメリットもあります。

婦人科(一般病院)でも、熱心に漢方を勉強して生薬を処方してくださる医師もいます。どうしても生薬を保険適応で入手したいのならば、医師が漢方知識を持っているかどうか、生薬も処方してくれる病院かを、事前にリサーチする必要があります。

市販薬のデメリット

漢方薬はドラッグストアでも市販されています。

これまでの説明でご理解いただけたかとは思いますが、症状が複合的な場合、自分で薬を選ぶには、漢方の知識が必要になります。

例えば、風邪には「葛根湯」という漢方薬が思い浮かびますね。実際、ドラッグストアで購入して飲んだことのある人も多いと思います。

実は、葛根湯は、体力があり、胃腸の強い「実証」タイプの人に合う漢方薬です。
体力が弱く、胃腸が弱い「虚証」タイプの人が飲むと、血圧上昇、胃痛、下痢などが起こる場合があります。また、高齢者の場合は排尿障害が起こることもあるそうです。

漢方薬は、安心・安全なイメージがあります。特に市販薬の場合は、薬のパッケージの効能書きだけで判断して購入し、気軽に飲んでしまいがちなので気をつけなければなりません。

プレ更年期 漢方治療 まとめ

漢方だけで治療するのか、他の治療と漢方を併用するかによっても、病院選択が変わってきます。

漢方治療だけでプレ更年期を治そうと考えている人には、最初だけでも漢方専門医の診察を受けることをおすすめします。一般病院の場合、漢方を処方してくれる医療機関はまだまだ少ないですし、漢方の知識を持つ医師なのかどうかもわかりにくいです。

インターネット検索や、病院口コミ掲示板などを利用して、漢方専門医や、保険適用で漢方薬を処方してくれる病院を検索してみるとよいでしょう。

ご参考 漢方専門医検索サイト

一般財団法人「日本東洋医学会」のサイトから漢方専門医が検索できます。
⇒地域別漢方専門医検索

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